普段からC++でのプログラムを作成していてBoost(ブースト)を知らないという人はあまり多くないかもしれませんが、「実はまだ使ったことない…」という人もいるのではないでしょうか?
ライブラリと聞くと、環境ごとにビルドしてDLLファイルとかLIBファイルを作ったりしないといけないんじゃないの?と思うかもしれませんが、Boostは多くのコードがヘッダーファイルのインクルードだけで使用できるようになっています。
今回はこのBoostをインストールして、動かしてみましょう!
Boostライブラリを入手しよう
何はともあれBoostのライブラリを入手しましょう。
- Boost C++ Librariesにアクセス。
- メニューにある、「DOWNLOADS」から「Version 1.64.0」をクリック。
過去のバージョンを使いたい場合は、「More Downloads…」→「version history」からダウンロードできます。
- リンク先にプラットフォーム別のダウンロードリンクがあるので希望の圧縮ファイルをクリックし、ダウンロードします。
今回私は「boost_1_64_0.zip」を選択してダウンロードします。
- boost_1_64_0.zipを任意のフォルダーに展開します。
コマンドプロンプトでの操作などもあるため指定がしやすいように今回はC:ドライブ直下に展開します。
Boostをビルドしてヘッダーファイル群を作成しよう
- コマンドプロンプトを起動してboostを展開したフォルダーに移動
0C:\> cd C:\boost_1_64_0 - 次にビルド用の実行ファイルを作成するため、バッチファイルを実行します。
0C:\> bootstrap.bat - 作成した実行ファイルをインストールフォルダを指定し実行します。
0C:\boost_1_64_0> b2.exe install -j2 --prefix=C:\boost_libs
簡単なサンプルプログラムを作ってみよう
これでBoostを使用する準備は整いました。
Visual Studioを用いて簡単なサンプルプログラムを作って動かしてみましょう。
- Win32 コンソールアプリケーションを作成
・アプリケーションの種類は「コンソールアプリケーション」、
・追加のオプションに「空のプロジェクト」を選択します。
- main.cppファイルを追加します。
.cppファイルが存在しない場合、プロパティ>C/C++が選択できないので先に作成しておきます。 - ソリューションエクスプローラーのプロジェクトを右クリック
プロパティページを開き、C/C++ > 全般を選択
「追加のインクルードディレクトリ」に先ほどインストール先に指定したフォルダーにあるinclude\boost-1_64フォルダーを追加します。
* 上記フォルダーをコピーしてプロジェクト毎に管理するなど使用に合わせて設定して下さいネ。
- プログラムからBoostのバージョンを表示してみます。
0123456789#include <iostream>#include <boost/version.hpp>int main(){std::cout << "Ver." << BOOST_VERSION << '\n' <<"Lib Ver." << BOOST_LIB_VERSION << std::endl;return 0;}
01Ver.106400Lib Ver.1_64
まとめ
特に難しいところなくサンプルプログラムを動作させることができたのではないでしょうか。
BoostはC++標準化委員会の委員により設立された経緯もあり、C++の準標準ライブラリと考えることもできそうです。
こんな関数を作ろうかなーと考えたとき、もしかしたらその関数はBoostに既に存在しているかもしれませんよ?